2年で5億ユーザ獲得の驚異

投資でもビジネスでも、 
タイムマシンで未来に行くことができたらなら、 
予め何が当たるかを知ることができ、 
儲けることはたやすくなる。 
 
でも現実としてはタイムマシンは 
まだこの世に存在しない。 
 
だが過去を研究することにより、 
未来がどうなっていくかについて 
予測を立てることがしやすくなる。 
 
というわけで、 
このインターネットを取り巻く世界が 
どのようなに変化を遂げ、 
それぞれの節目でどのようなことが起き、 
誰が得をして誰が損をしたのか? 
 
という点に着目して見ていこう。 
 
今回は、2008年〜2018年の10年を振り返って 
解説していく。 
 
●2008年 
1月、twitterが日本上陸。SNS業界では比較的 
古い存在だという印象が強いが、 
意外にもそこまで古くなかった。 
「○○なう」「ツィートする」「バズる」という 
言葉が生まれるほど、ネット社会に影響を与えた。 
また、その拡散性の高さから、「炎上」 
という言葉も生まれる。 
 
5月、Facebookの日本語版がスタート。 
こちらも当初、出身大学や過去に勤めた会社を 
入力すると古くからの友人を探すことができる 
ツール程度にしか認識されていなかった。 
男もアカウント登録をしてみたものの、 
ほぼ活用することなく時間が過ぎていった。 
 
7月、初代iPhoneが日本に上陸。 
ここから現在のアップルの世界への大躍進が始まる。 
日本国内でも実は1990年台後半から2000年代前半 
にかけて、PDAという電子手帳のブームがあった。 
シャープのザウルス、SONYのCLIEなど名機も 
生まれたが、時代が早すぎたのか? 
市場規模はそこまで拡大せず、 
メーカーは生産を中止することになる。 
Windowsからも「Windows CE」という、 
PDA向けのOSも出ていたが、 
これも爆発的なヒットには至らなかった。 
 
iPhoneの上陸とともに、 
誰でもiPhone向けアプリをアップロードできる 
「App Store」がスタートした。 
iPhoneアプリ向け開発環境も提供され、 
通常のプログラミングよりも簡単にでき、 
そこまで敷居が高くなかったことから、 
個人でも大ヒットアプリを生み出して 
一攫千金を狙えるチャンスが出てくる。 
実際、個人発で話題となったアプリが 
いくつも出てきた。 
 
Amazonの倉庫を利用できる「FBA」 
も同年スタート。 
 
 
●2009年 
NTTドコモからAndoroid携帯第1号が 
発売開始される。 
iPhoneの爆発的ヒットに対抗する動きとなっている。 
(iPhoneはソフトバンクが独占販売権を握っており、 
 NTTドコモとしてもすぐに取り扱えない事情があった。) 
 
●2010年 
iPadが発売開始となる。 
iPhoneほどのインパクトとはならず、 
静かなスタートとなる。 
 
サムスンからGalaxyシリーズ初代モデルが 
発売開始となる。 
 
10月、instagramがApp Storeにて提供開始となり、 
12月までに100万ユーザとなる。 
従来のようにWebサイトからユーザを獲得する 
モデルではなく、iPhoneアプリだけでユーザを 
獲得していった点が画期的だった。 
 
 
●2011年 
1月、YahooがGoogleの検索エンジンを採用。 
事実上、検索エンジンはGoogle1択となる。 
それまでの検索エンジン対策は、 
Yahoo向けとGoogle向けの2つが存在し、 
Webサイトは 
 
①Yahooには強いけどGoogleには弱い 
②Yahooには弱いけどGoogleには強い 
③どちらにも強い 
 
分類され、③を実現することが難しかったため、 
①か②のスタンスをとらざるをえなかった。 
男の@SOHOは最初から迷わず②を 
選択していたため、 
この変化による影響は全く無かった。 
(逆に良くなった) 
 
6月、LINEがサービスを開始した。 
 
9月、写真共有サービスsnapchatがサービス開始。 
従来の写真共有サービスがWeb上に残り続ける 
スタイルだったのに対し、一定時間経過後に 
自動的に閲覧できなくなる仕組みを採用し、 
ユーザは気兼ねなく写真を送信できるという点が 
人気に火をつけることとなった。 
 
同年、NTTドコモに先駆け、 
auがiPhoneの発売を開始。 
スマートフォンの普及率が拡大していく。 
 
●2012年 
2月、パズル&ドラゴン(通称:パズドラ)が 
App Storeに登録される。 
素人にも使いやすい操作性やエンターティメント性が 
人気を呼び、スマホゲームの火付け役となる。 
提供元のガンホーの時価総額は、 
翌年に1兆5千億円となり、任天堂を超えることに。 
 
3月、Googleが「Google Play」を開始。 
アップルの「App Store」に対抗するもので、 
誰でもAndroid携帯向けアプリを 
公開できるようになる。 
 
4月、Facebookがinstagramを買収。 
instagramはスマホアプリだけで2年足らずで 
3,000万ユーザを獲得し、その勢いに驚異を感じ、 
Facebookが「将来の競合になり得る」と判断し、 
買収したと言われている。 
 
5月、コンプリートガチャ(略称:コンプガチャ) 
問題が発生、消費者庁より違法とされる。 
GW開けの5月7日、ソーシャルゲーム関連会社の 
株価が大暴落。 
下落幅はGREEが51%、DeNAが44%、 
サイバーエージェントが42%となっている。 
 
12月、LINE@がサービスを開始。 
この時点でのLINEの利用者数は 
日本:3,500万人 
世界:7,500万人 
という内訳だった。 
 
 
●2013年 
7月、メルカリがサービスを開始。 
9月、ついにNTTドコモがiPhoneの発売を開始。 
これで日本国内ではiPhoneのシェアが 
50%を超えるようになっていく。 
(50%を超えているのは世界でも日本だけだった。 
 現在はAndroidが巻き返している。) 
 
10月、モンスターストライク(通称:モンスト) 
がApp Storeにてサービス開始。 
パズドラと並んでスマホゲームで大ヒットとなる。 
 
Facebookの国内利用者数が2,000万人を超える。 
 
 
●2014年 
2月、instagramの日本語アカウントが開設される。 
LINEの国内利用者数が5,000万人を超える。 
 
 
●2015年 
初代Apple Watchが発売される。 
時計とスマートフォンを掛け合わせた機能が 
画期的で後に「スマートウォッチ」という 
時計業界での新たなジャンルが生まれる 
きっかけとなったが、スマートフォンの 
延長線上のような使い方にとどまっており、 
(つまり、スマートウォッチでできることは、 
 スマートフォンでもできることが殆ど) 
スマートウォッチが世界を変えるという 
ところまではいっていない。 
 
 
●2016年 
9月、15秒程度のショートムービーを作成して 
共有できる「TikTok」がサービス開始。 
投稿の手軽さやリップシンク(口パク)が 
話題を呼び、10代を中心としてユーザを拡大。 
 
AIが再び注目されるようになる(第三次AIブーム)。 
 
 
●2017年 
8月、TikTokが日本上陸。 
 
 
●2018年 
6月、TikTokのアクティブユーザ数が 
世界で5億人を突破。 
同年単独のダウンロード数はYouTube、 
instagram、Whatsappを上回る。 
 
同月、メルカリが東証マザーズに上場する。 
日本を代表するユニコーン企業として 
注目を集める。 
 
以上、2008年から2018年までの10年の 
流れを追ってみた。 
 
こうして見てみると、 
年を追うごとにLINE、instagram、 
snapchat、TikTok、そして和製のメルカリ 
といったスマホ発の企業の成長が著しくなっている。 
 
中でもTikTokがわずか2年足らずで 
アクティブユーザ数が5億人に達しているのが強敵だ。 
あのFacebookでさえ、5億人を突破したのは 
2004年の創業から6年が経過した2010年だった。 
 
その理由を考察してみると、 
世界的なSNSの火付け役となった 
twitterやFacebookがユーザを 
獲得していく段階では、 
そもそもSNSというものの概念や使い方が 
人々に理解されていなかった。 
 
さらにスマホはまだ普及しておらず、 
パソコンを持っている人しか 
ユーザ層にはならなかった。 
 
ところがスマホ革命が起きて 
現在は1人が1台どころか複数台のスマホを 
所有している時代。 
 
パソコンと比べて圧倒的に 
普及率が高いし使用率も高い。 
 
スマホの高機能化により、 
「パソコンでしかできない」ことも 
圧倒的に少なくなった。 
 
つまり、スマホの普及でハード面の土台が整い、 
Facebook、twitter、instagramをはじめとした 
各種SNSの普及によって人から人にシェアされる 
土台が整っているため、人から人に情報が 
伝わりやすく、2年で5億人という驚異的な 
数字が達成されたと思われる。 
 
つまり、今後はやはり企業のマーケティング戦略は 
スマホを中心に組み立てる必要がある、 
と考えることができる。 
 
そう考えると、あなたのビジネスで次に何をすべきかが、 
見えてくるのではないだろうか? 
 
 
2019年6月30日(日)22時〜24時開催決定 
▶黒虎のためのIT経営戦略最前線 
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  • この記事を書いた人

平城寿@社長の右腕

『ITエンジニアのための「人生戦略の」教科書』(マイナビ出版)著者 日本最大級(会員約27万人)のビジネスマッチングサイト『@SOHO(https://www.atsoho.com)』の開発者であり創業者。 大学卒業後、内定をすべて辞退し半年間起業の道を模索するも断念。消去法で福岡のIT企業に就職し在職中にショッピングカートのレンタルシステムをヒットさせ1年半後に24歳で1度目の独立を果たす。 フリーランスのITエンジニアとして活動しつつベンチャー企業のCTOを兼任。 大規模システムの経験を積むため26歳でアクセンチュアに就職し3年間トップ5%の評価を維持する。在職中に『@SOHO』を立ち上げ、軌道に乗せて29歳で2度目の独立を果たす。ITエンジニアの独立起業をサポートする 『スーパーエンジニア養成講座』を開講。2万人のメールマガジン読者にアドバイスを行う。その後活動の場を海外に広げ、海外でのノマドスタイルを確立し『海外ノマド』という言葉を自ら定義し啓蒙活動を行う。 さらに、業種にとらわれずに独立起業を加速させるための講座『平城式Facebook』を開講。これからはピラミッド社会ではなく球体の社会になると予見し、既存のシガラミに囚われず価値観を共有できる仲間とつながるためのオンラインを中心としたコミュニ ティー『成幸村』を構想し実現。 一貫して『個人が自己実現をするための事業活動』を行っている。

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